株式投資の教科書

【米国株投資】高配当株ならメーシーズではなくエルブランズ!「買える株」「買えない株」の違いとは

【米国株投資の教科書】 高配当株ならメーシーズではなくエル・ブランズを買え

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最近では米国株について発信するTwitterやブログ等も増え、米国株投資に興味を持っている方も増えているようです。

その中でも米国株投資では長期間の保有を前提とした高配当株への投資を行う人も多くみられます。

ただ、注意すべきなのが”単に高利回りだからという理由で投資する銘柄を決めてはいけない”という点です。

今回は同じ時期に大幅に株価を下げた高配当株である、全米でも屈指の高級百貨店「メーシーズ」と世界的に有名な下着ブランド等を展開する「エルブランズ」を例に解説してみます。

てんしちゃん
てんしちゃん
エルブランズはミランダ・カーがモデルをしていた「ヴィクトリアズシークレット」を展開する企業だよ!

メーシーズ、エルブランズともに米国株屈指の高配当株

メーシーズとエルブランズはどちらもS&P500採用銘柄であり、採用銘柄でも屈指の高配当株です。

2017年7月24日の米国市場引け時点での予想配当利回りは、以下の通りでした。

銘柄名配当利回り
メーシーズ6.84%
エル・ブランズ5.46%

どちらも配当利回り5%を超える高配当です。

国内の上場企業ではこの水準の銘柄はほとんどなく、配当目的の投資はなかなか難しい状況にあります。

日本国内の同業他社と比較|配当利回りは圧倒的に米国株が高い

メーシーズは百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングスと、エル・ブランズは婦人下着国内首位のワコールとそれぞれ利回りを比較してみます。

メーシーズと三越伊勢丹では利回り5%以上もの差に

三越伊勢丹ホールディングス:配当利回り1.05%(2017/07/25時点) *他株主優待有

銘柄名配当利回り
メーシーズ6.84%
三越伊勢丹HD1.05%

(*利用限度額30万円を上限として10%割引となる優待カードあり)

三越伊勢丹ホールディングスの場合には株主優待もあり一概に比較はできませんが、5%以上の差があります。

あくまくん
あくまくん
株主優待は”自社での買い物で使える”というようなある種の制限付きの株主還元だから、利用しない企業の商品券とかだといらないよね…

エルブランズとワコールも配当のみの比較なら2%以上もの利回り差

ワコールホールディングス:配当利回り2.54%(2017/07/25時点)*他株主優待有
(*1000株以上保有の場合3000円分の自社グループ商品券あり)

銘柄名配当利回り
エル・ブランズ5.46%
ワコール2.54%

ワコールも配当以外に株主優待がありますが、配当利回りだけで比較するとこちらも倍以上の差があります。

ワコールも配当以外にも自社商品券という形で株主優待も出していますが、男性投資家にしてみれば使い道のないもので、株主還元という面ではあまり適切ではない方法のような気もします。

あくまくん
あくまくん
ワコールの商品券貰っても恋人のプレゼント買うくらいしか使えないよね

注意!株主優待は改悪されやすく長期投資には不向き

米国株は株主優待というような制度はなく、配当のみです。

企業にとっては株主優待は株主還元という側面だけでなく、自社商品の購入促進や顧客維持にも繋がるなど純粋な株主還元とは少し異なった方法です。

実はこの株主優待という方法は少し問題ともいえる株主還元方法なんです。

例えば下着メーカーであるワコールのような企業を単に優良企業と評価して株式を保有している場合、株主優待としてワコールのみで使える3,000円分の商品券を貰っても使い道がありません。
従ってその恩恵を受けるためにはフリマアプリや金券ショップなどを利用して換金する必要があります。
こうした換金方法を取る場合には額面の8割程度での取引やそれ以下での取引になることが多く、さらに手数料も売却代金から差し引かなければなりません。
その結果手元に残るのは2,000円程度でしょう。

一方でワコールを普段から利用している方であれば、額面3,000円分そのまま利用することができます。

このように株主優待制度では同じ株主であっても最終的に得られる恩恵に大きく差が生じてしまいます。

これは株主還元という点でいえば大きな問題で、株主優待制度の賛否は長らく議論されています。

米国の場合には全企業が配当を出す、という形になっており、株主がどういった立場であれ平等に株主還元を受けれるような仕組みになっています。

ビジネスモデルの比較|”箱”と”プロダクト”

ここではざっくりとメーシーズ及びエル・ブランズのビジネスモデルの比較をしてみます。

メーシーズ主にブランド等に店舗の売り場を貸し出し家賃収入を得る
エル・ブランズブランディングした自社ブランドの販売(ヴィクトリアズ・シークレット等)

メーシーズは近年の業績急降下によりECやディスカウントストア的な要素を取り入れビジネスモデルの転換に舵を取り始めましたが、メーシーズはいまだ伝統的な百貨店のままと言えます。

AmazonをはじめとするECサイトに顧客を奪われ、近年急速に業績を悪化させています。

これは日本の百貨店業界にも言えますが、主要顧客の高齢化とあらゆる物事のインターネット化に伴う影響に対応しきれず、衰退の一途にあります。

メーシーズは業績の悪化を受けてディスカウントストア化やECへの進出、自社ブランドの開発・展開を進めてはいるものの、現状では業績回復の目途は立っていないといえるでしょう。

EC等に大量の投資をしていますが、今後数年でさらに業績の悪化をもたらす可能性も少なくないでしょう。

エル・ブランズは日本でもミランダ・カーで有名な”エンジェルズ”と呼ばれるモデル達を擁し下着・水着・香水等を取り扱う「Victoria’s Secret」やカジュアル・インナーラインを取り扱う「PINK」を展開しています。

日本での店舗展開などもなく、日本ではあまり知られた企業ではありませんが、エルブランズはアパレル売上高で世界トップ5にもランクインするほどの売上を誇っています。

エルブランズとメーシーズでビジネスモデルの差をわかりやすく言えば、メーシーズが「場所を貸す側」であるのに対し、エル・ブランズは「場所を借りる側」です。

「場所を貸す側」は、年々インターネットの普及及び利便性が向上する中で登場し普及している”リアル店舗を必要としない販売形態”に対して抗うことが難しい業態です。

一方でエルブランズのように「場所を借りる側」の企業はEC化が進んだ場合には、販売場所をリアル店舗からAmazonのようなECサイトに乗り換えるだけである程度の対応も可能です。

さらに自社ECサイトを立ち上げれば、リアル店舗がなかった地域へも販売アプローチが可能になることはもちろん、自社ECサイトでもブランド力があればある程度の集客も見込めるので営業利益率の向上にも繋がる場合もあります。

これまでは商品を売るための”ハコ”として生きてきた企業はインターネットの発展で衰退への道をひた走る一方、自社でブランド力のある商品を育ててきた企業はインターネットの発展でむしろこれまで以上に発展していく可能性も秘めているのです。

米国高配当株でメーシーズよりもエルブランズを選ぶ理由

ビジネスモデルの違いでも書きましたが、

メーシーズとエルブランズのビジネスモデルは「これから衰退の一途を辿る典型」ともいえるものと「変化に対応してさらに販路を拡大できる」ものという大きな違いがあります。

さらにエルブランズは世界的に有名で強力なブランド力を持つヴィクトリアズ・シークレット等のブランド展開をしており、顧客基盤もしっかりとしています。

下着や美容品自体の変化はあってもそれ自体は女性の必需品としての需要は確実に見込めますし、こうした商品は一度顧客をがっちりと握ってしまえば顧客側も継続して

同じブランド・同じ商品を使用することも多いため、「急速に顧客離れが進み業績悪化→倒産」という事態はメーシーズ異なりイメージしにくいと思います。

直近の決算で売上高の減少が報じられ株価も大きく売られることとなりましたが、逆に強気で買って良いタイミングが訪れた、という印象です。

メーシーズは典型的な衰退企業です。

「本業の業績急降下」→「急激な業績悪化に対応するために莫大な投資」という現状です。

百貨店事業自体の斜陽化もそうですが、ECへの対応やディスカウントストア化等の対応の全てが後手後手の対応で、急いで対応するために投資する額も莫大になっています。

押し進めているオムニチャネル化も決してうまく進んでいるといえるものではなく、苦戦を強いられています。

計画的な投資といえるのかも疑問な投資でもあるでしょうし、莫大な投資が今後さらに爆弾となって振ってくる可能性も低くないうえ、ECやディスカウントストア化が功を奏してもどこまで業績回復できるのかも未知数です。

メーシーズといえばコレ!といえるような強いブランド力があるわけでもない現状では、投資対象として非常に厳しいものになると思います。

とりあえず結論として、「エル・ブランズではなくメーシーズを買う理由はない」でしょう。

また、巷で話題の”分散投資だ!”というような理由でも「エル・ブランズを買う分を減らしてメーシーズを買う」理由もありません。

どういった投資法であれ、自分が取り入れる投資手法は盲目的に信じるのではなく、「どういった場合に使えてどういった場合に使えないのか」というように”常に使えるものではない”、”どの銘柄にも当てはまるものではない”というような意識をもって、投資していくようにしましょう。
*投資は自己責任のうえお願い致します

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