確定拠出年金の教科書

個人型確定拠出年金(iDeCo)で運用する商品の選び方|大切なのは投資期間・信託報酬を意識した商品選び

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あくまくん
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「国内株式、海外株式、国内債権、海外債権、リート…いろいろありすぎてどれで運用したらいいのかわかんない!

節税効果の高さや老後資産の運用として確定拠出年金(iDeCo)を活用すると決めても、「数ある運用商品の中からどれを選ぶべきかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

まったくの投資未経験の人にとってはこの「運用商品選び」が最大のハードルになるでしょう。

しかしいくら難しそうに感じても、節税など優遇措置も大きいイデコを始めようとしてもこの運用商品選びを”テキトー”にしてしまうとせっかくのおいしい制度も台無しになってしまいます。

そこで今回は確定拠出年金で運用するファンドを決める際のおすすめの選び方を紹介します。

ぜひ参考にしてみてください!

確定拠出年金では長期投資を意識した運用に徹する

確定拠出年金(iDeCo)で運用する上での最も大きなポイントとなるのが「最短60歳まで引出しができない」という点です。

確定拠出年金は老後資金の形成を目的とした制度でもあり、一度入金すると最短でも60歳まで引き出しができない仕組みとなっており、必然的に長期的な資産運用となります。

長期的な資産運用で非常に重要なのは短期的な資産変動は一切無視することです。

数10年単位で運用するのに数か月の運用成績だけで判断してアレコレと運用商品を入れ替えていくのはおすすめしません。

最初に投資する際に「長期間運用し続けられるファンド」を見つけ、運用成績の確認も半年に1度程度の頻度でするくらいのスタンスを心がけてください。

あくまでも「受取時にプラスになっていたら良い」ということだけしっかりと頭に入れ、1日1日の運用成績に気を取られないようにしましょう。

確定拠出年金の運用ファンド選びの大前提は「信託報酬の安さ」

確定拠出年金での運用で最も気を付けるべきことの1つが”信託報酬”をはじめとする手数料です。

信託報酬とは
投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のことです。
ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といった形で毎日差し引かれます。
投資信託の種類によって信託報酬は異なりますが、年0.5~2.0%程度が一般的です。
引用-SMBC日興証券より

信託報酬は運用商品によって異なります。

運用商品には「日経平均やダウ30種工業平均など株価指数(インデックス)に連動することを目指すパッシブ型」と「運用指図者が独自の手法で投資対象を選ぶアクティブ型」という2種類あります。

確定拠出年金に限りませんが、投資信託の場合にはアクティブ型の信託報酬がパッシブ型(インデックス連動型)に比べると数倍程度かかります。

商品名信託報酬
ジェイリバイブ(アクティブ)年1.62%
ニッセイ日経225インデックス年0.27%

アクティブ型とパッシブ型の信託報酬の違いは、長期間運用する確定拠出年金では年々その違いが運用成果に反映されていきます。

上記で例に挙げたジェイリバイブと日経平均連動型でそれぞれ500万円で運用した場合、ジェイリバイブでは年間約8万円の信託報酬が、日経平均連動型では年間約1万円とその差は約7万円にも上ります。

資産運用では”複利”という考え方がありますが、この信託報酬も複利的に積み重ねってくると、最終的には数十万円単位では影響してくることになります。

そのため確定拠出年金の運用の場合にはこの信託報酬の大小が最終的な運用成績に大きくかかわってくるのです。

確定拠出年金(iDeCo)で運用する場合、長い場合には40年前後も運用することになります。

そのため、選ぶ商品は「信託報酬が安いこと」が大前提になるのです。

目安としては信託報酬が年0.3%以内のものを選ぶようにしましょう。

確定拠出年金はパッシブ(インデックス連動)投資を軸にする

当サイトでは確定拠出年金での運用にはパッシブ投資をおすすめしています。

-パッシブ(インデックス連動)投資を選ぶ4つのメリット-
  1. 信託報酬が安い
  2. 手法の変動による影響を受けない
  3. 運用資産額の変動の影響を受けない
  4. 運用指図者による影響がない

パッシブ投資のメリット①信託報酬が安い

パッシブ(インデックス連動型)投資の最も大きな魅力が信託報酬の安さです。

パッシブ投資は特定の株価指数(インデックス)に連動することを目指す手法のため、ファンド側のコストもアクティブ投資と比較すると非常に低い水準になります。

そのため投資家側が支払う報酬も低い水準に抑えられており、その差はアクティブ投資と比較して年1%以上になることも珍しくありません。

もし運用資産が100万円の場合、信託報酬が0.3%のパッシブ型の商品と信託報酬1.5%のアクティブ型の商品で比較すると、単純計算でも信託報酬だけで年間12,000円程度の差になります。

確定拠出年金(iDeCo)の場合には毎月積立していく形の資産運用になるので、この信託報酬の差は運用収益に多大な影響を与えるといっても過言ではありません。

このように長期運用が前提の確定拠出年金(iDeCo)では運用成績にこの信託報酬の差がダイレクトにかかわってくるため、信託報酬は特に注意しましょう。

パッシブ投資のメリット②手法の変動による影響を受けない

パッシブ投資
市場の動きを表す特定の株価指数(インデックス)に連動する値動きを目指す投資法

日経平均に連動するタイプなら組み入れ銘柄の割合は変化しても、”日経平均に連動することを目指す”という大原則はどれだけ年月が経とうとも変わりません。

投資当初から10年、20年経とうともその商品で運用することを決めた根本は変わらないため、パッシブ投資ならばアクティブ投資にありがちな「運用手法の変更による運用成績の変化」を受けず一貫性のある投資が可能です。

一貫して特定の株価指数に連動することを目指すため、投資先の国や地域の経済成長による株価上昇に素直に乗っていけるというのもパッシブ投資のメリットだといえます。

パッシブ投資のメリット③運用資産額の変動の影響を受けない

「運用資産額によって投資手法は変わる」という点は投資経験が浅い人がピンとこないかもしれません。

アクティブ投資の場合には運用額100億円と、運用額1000億円では投資する対象が変化していきます。

比較的大きな株価上昇率が見込めるような中小株式は時価総額も低く、運用額の大きなファンドが投資すると株式の売却が困難になったり、銘柄の管理コストに対する十分なリターンが見込めなくなるなどの悪影響が出てきます。

そのためアクティブ型では運用額によって随時運用手法や運用対象を変化させる必要があり、運用額の増加に伴う投資手法・対象の変化で期待していた運用成績が望めないということがあります。

パッシブ投資の場合には運用額が100億円でも、1000億円でも投資手法は不変です。

運用額が増えても過去と同じ手法を継続して運用し続けることが期待でき、運用額という内部事情によって運用成果に悪影響を受けないという点が長期投資前提の確定拠出年金(iDeCo)では大きなメリットになります。

パッシブ投資のメリット④運用指図者による影響がない

アクティブ投資の場合、運用するファンドの人事によっても影響を受けます。

基本的な運用方針や運用手法が決まっていても、それらは運用指図者のトップが変わるとそれら方針や手法も変更する可能性があります。

運用手法の変更が良い方向に向かうこともありますが、長期的な計画を立てる上ではより一貫性の高い手法を採用することがベターです。

確定拠出年金(iDeCo)は最長40年近く運用が続きます。

その間、運用指図者のトップは間違いなく何度も変わっていきます。

変わらず一貫性を持った投資を継続していくためにも、インデックス型での投資がおすすめです。

アクティブ投資は長期間の運用に不向き

アクティブ投資
独自の手法を用いて市場の平均値を上回ることを目指す投資法

「市場平均を目指すインデックス投資よりも市場平均を上回ることを目指すアクティブ投資のほうが運用するには良いんじゃないの?」という方もいるかもしれません。

しかしアクティブ投資には確定拠出年金(iDeCo)のような長期の運用ではおすすめできないポイントが複数存在しています。

ここではアクティブ投資をおすすめしないデメリットを紹介します。

-アクティブ投資のデメリット-
  1. アクティブ型は信託報酬が高い
  2. 好成績を上げ資金が集まれば集まるほど運用が難しくなる
  3. 運用指図者となる組織の人事の影響を受ける
  4. 投資手法の変化にも対応し続けなければいけない

アクティブ投資のデメリット①信託報酬が高い

アクティブ型のファンドを最もおすすめしない理由が信託報酬の高さです。

インデックス型が年0.1~0.3%程度の信託報酬に比べ、アクティブ型の場合には年1~2%もの信託報酬が設定されています。

最大40年近く運用し続ける確定拠出年金(iDeCo)ではパッシブ型とアクティブ型の信託報酬の違いだけで運用成績に数十万から100万円越え以上の差がでるなどとあまりにも大きくなっていきます。

過去数年程度のアクティブ投資の運用成績だけを見て、安易に飛びつく前にしっかりと信託報酬を確認しましょう。

アクティブ投資のデメリット②好成績を上げ資金が集まれば集まるほど運用が難しくなる

個人に人気の高い「ひふみ年金」や「ジェイリバイブ」といったアクティブ型のファンドは、大型ファンドや機関が投資できないような国内中小株式を中心に投資することで好成績を上げてきました。

しかし好成績を出すことで個人投資家からの資金が集中すると、好成績の大きな要因となった中小株への投資が難しくなります。

その結果投資手法などの変化へと繋がり、期待していたような利益を上げられなくなることも十分に考えられます。

運用額が大きくなってこれまでのように中小企業への投資が難しくなったひふみ投信ではAmazonなどの米国企業への投資も開始しました。

ひふみ投信が人気だったのは「独自の調査を通して見出した中小企業への投資を通じて高い運用成績を出す」というためだったはずが、人気になりすぎたあまり運用手法に変化が出てしまったという一例です。

【ひふみ投信が米国株での運用することに疑問】

ひふみ投信は「独自の調査を経て大手のファンドでは購入されないような企業も積極的に投資していくことで大きな運用成績を得てきた」タイプのファンドです。

投資先は時価総額が低く運用額が多いようなファンド投資対象外となっていたような企業も少なくありません。

しかし運用額の急増に伴い、従来の運用方法では限界を迎えつつあり、新たに米国株へも投資するという道を取りました。

もちろん米国株でも国内株式のように「あまり注目されていない、時価総額も小さな企業」への投資ならまだしも、2018年4月度の運用レポートではクレジットカードでおなじみの「VISA INC」や世界最大のネット通販&クラウドサービスを提供する「AMAZON.COM INC」、Windows等を提供する「MICROSOFT CORP」など、どのパッシブ型でも買い入れ比率の大きな企業ばかりになっています。

しかもその3社は投資銘柄の中でも組入れ比率1位、2位、4位と非常に高い割合となっています。

パッシブ型に比べると何倍も信託報酬が高いアクティブ型の運用商品であるのに、「わざわざパッシブ型商品よりも高い信託報酬でわざわざ同じ商品を運用してもらっているだけ」といえる状態になってしまっています。

商品名特徴信託報酬
ひふみ年金ひふみ投信をマザーファンドとして国内外株式へ投資純資産総額に年率0.82080%
DCニッセイ外国株式インデックス日本以外の主要先進国の株式で構成される指数・MSCIコクサイ・インデックス連動を目指す(米国株式比率6割以上)純資産総額に年率0.20412%

これまで積み上げてきたひふみ投信の強みはここには何も発揮されていません。

こうした超大型米国株を組入れて運用したいのならば別途米国指数連動型などのパッシブ型商品を買付すれば信託報酬という面でも正しい選択です。

アクティブ投資のデメリット③運用指図者となる組織の人事の影響を受ける

アクティブ型ファンドの場合、組織のトップの変更による手法の変化なども可能性として挙げられます。

独立型ファンドの場合には特にその可能性は否定できません。

40年近く運用することも考えられる確定拠出年金(iDeCo)でアクティブ型ファンドを選ぶ場合には十分注意しましょう。

アクティブ投資のデメリット④投資手法の変化にも対応し続けなければいけない

インデックス投資では「特定の株価指数に連動する」という絶対的な指標がありますが、アクティブ型では日々変化する株式市場の動きに対応し続ける必要があります。

株式市場は人同士のトレードからアルゴリズムを用いたトレードに代わり、今後はAIを用いたトレードへの変化が予想されています。

その中で長期間にわたって同一の運用手法が通用し続けるということはほぼないといえます。

アクティブ型ファンドの場合には随時その時々の状況に合わせた運用手法の開発・変更が必要です。

この運用手法の開発・変更の必要性は”言うは易し”であり、世界を見るとノーベル経済学賞受賞者数人で立ち上げたファンドが圧倒的な損失を出して解散するというような事例も存在しています。

日本においても、「市況の変化でこれまでの手法が通用しなくなる」ということは低くないリスクとして十分に考えられます。

確定拠出年金で運用する商品の選び方

-運用商品を選ぶポイント-
  1. 信託報酬が0.3%以下であること
  2. 過去最低でも10年以上運用されていること
  3. 運用手法に不変性があること
  4. リスク軽減のための分散性に優れていること

これまでの情報も勘案し、確定拠出年金(iDeCo)でおすすめの運用商品の選び方はこの4つです。

この4つを満たすものとして、パッシブ投資こそ長期間運用する確定拠出年金での運用上で最も適した投資手法です。

特定の株価指数だけでなく、世界のあらゆる株価指数に分散したパッシブ投資を行っていきましょう。

「できる限り運用に人が介在する部分を省き、経済成長に投資する」

パッシブ投資とは経済成長への投資です。

経済成長が右肩上がりで伸びていけば、基本的に株式指標も右肩上がりに伸びていきます。

「投資は難しいでしょ?」

「知識もなくてうまく運用できる自信がない」

そういう方こそパッシブ投資で長期間じっくりと資産運用していきましょう。

貯蓄だけでは得られない、大きな恩恵を受けられるはずです。

確定拠出年金(iDeCo)ならば運用収益だけでなく、掛金全額所得控除対象という非常に大きな節税効果も見込めます。

この掛金全額所得控除対象というのは100%受けられる恩恵です。

多少の運用成績の悪さでも吹っ飛ばせるくらいの節税効果は得られます。
それに加えてパッシブ投資で長期で腰を据えてじっくりと資産運用して、節税効果+運用収益という2つの美味しい成果を得て、不安な老後を吹き飛ばしていきましょう。

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